ZAZOUSのユニオンジャック・ジャケットはなぜ傑作なのか?

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こんにちは。NALです。

今回は、REATS TAILOR ZAZOUS(リーツテイラーザズー)のユニオンジャック・ジャケットをご紹介します。

英国スタイルを根幹にしているZAZOUSが定期的にリリースし続けているユニオンジャック柄のジャケットですが、今回はそれをオーダーで作ってもらったので、ディテールやオプションの価格などをレポートします。

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ZAZOUSのユニオンジャック・ジャケットの価格と総評

ZAZOUSに仕立ててもらったユニオンジャック・ジャケットがこちらです。

[オーダー価格]55,000円

[市販価格]48,000円
(2024年5月現在)

一般的にユニオンジャックの配色は「赤」「白」「青」の3色ですが、今回のパターンは「赤」「白」「黒」の配色になっているのが特徴です。

ZAZOUSではユニオンジャック柄のアイテムが定期的にリリースされていますが、その都度、配色や風合いを変えているため、一口にユニオンジャック柄と言っても、シーズン毎に全く印象が異なります。

私は複数のユニオンジャック柄のアイテムを所有していますが、配色パターンは今回の「赤」「白」「黒」が最も好みです。

その理由は青よりも黒が入っている方が色々なアイテムに合わせやすく、着回し力が抜群だからです。

過去に発表されたユニオンジャック柄には今回の配色パターンの他に、以下のようにヴィンテージ加工が施されたものが存在していました。

いずれのパターンも所有しておりますが、着回し力で言えば、今回の配色パターンがダントツにお勧めです。

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ユニオンジャックのジャケットが高い理由

ジャケットの中心価格は26,000円~42,000円が相場ですが、ユニオンジャック柄のジャケットは市販品でも48,000円と高値になっています。

これにはいくつかの事情があり、主に以下の理由が挙げられます。

(1)生地がZAZOUSのオリジナルで他のブランドでは取り扱いがない

(2)柄の合わせが難しい

(3)歩留まりが悪い

生地がZAZOUSのオリジナルであること

ユニオンジャックの生地はZAZOUSの完全オリジナルで、他の店やブランドでは一切取り扱いがされていません。

実は、私が過去にS for youというオーダーメイドサロンに依頼した時、ユニオンジャック柄の生地を探してもらったことがありました。

一般的な生地屋ではユニオンジャック柄の生地が取り扱いがないため、オーダーメイドサロンや仕立て屋などの専門業者であれば、業界内のコネクションを通じてユニオンジャック柄の生地を入手できると考えました。

しかし、その結果は空振りに終わっています。

驚いたことに、専門業者に探してもらっても、ユニオンジャック柄の生地は1枚も見つからなかったのです。

これは「私が希望したユニオンジャック柄の生地」が見つからなかったというわけではなく、「ユニオンジャック柄の生地そのもの」が1枚も無かったという意味です。

この体験からも、ユニオンジャック柄の生地そのものがいかに希少であるかがお分かり頂けると思います。

専門業者のルートですら入手することが出来ず、なおかつ、ZAZOUSのオリジナル生地であることから、ユニオンジャック柄の生地は売価が高くなってしまうというわけです。

ただ、これほど希少な生地であることを踏まえれば、48,000円の価格はむしろ安いとさえ思います。

事実、「ユニオンジャック」「ジャケット」で検索すると、他ブランドの商品がヒットしますが、その価格は20万円や30万円にも上ります。

無論、これは生地代だけではなく、そこに人件費や広告費なども上乗せされている価格です。

しかし、ZAZOUSでは一切広告を打っておらず、社長さん自身が店頭に立って接客を行っていることから、その分の営業活動費を削減でき、それによって約50,000円という奇跡的な値段を実現できているというわけです。

柄の合わせが難しい

一見して分かるように、ユニオンジャックは複雑な柄の構成となっています。

これにより、ユニオンジャック柄の生地を裁断・縫製する際には仕上がりを鮮明に意識する必要があり、高度な技術が要求されます。

この「柄の合わせ」という点については、腕の部分にご注目下さい。

腕の部分で言えば、赤い十字の部分が胴体と腕部分で繋がるように裁断・縫製されています。

また、ポケットのフラップ部分にもご注目下さい。

こちらの場合も、柄が極端にズレないように柄の合わせが意識されていることが分かります。

ポピュラーなストライプやボーダー、水玉(ドット)といった柄であれば、これほどまで柄に合わせに神経を配る必要はなく、高度な技術も要求されることはありません。

しかし、ユニオンジャックの生地を用いる場合、柄を合わせるということ自体が非常に難しく手間がかかるため、販売価格も高くなってしまうのです。

歩留まりが悪い(低い)

「柄の合わせが難しい」という理由から派生して、「歩留まりが悪い(低い)」という問題も出てきます。

歩留まりとは、主に製造業で使われている言葉で、「全体に対する成果の割合」を意味しており、世間で言うところのコストパフォーマンスです。

つまり、ユニオンジャック柄の生地を使ってアイテムを作ると、コストパフォーマンスが悪くなってしまうのです。

先述した通り、ユニオンジャックの生地は柄の合わせを考慮する必要があるため、柄の合わせ上、どうしても使えない部分が存在してしまいます。

この部分は流用することが出来ず、捨てることしか出来ないことから、ユニオンジャックのアイテムにはこの「捨ててしまう部分」も最初から製造コストに入っているのです。

そのため、ユニオンジャックの生地を用いたアイテムは価格が高くなってしまう傾向にあるというわけです。

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オーダーのオプション価格は?

今回のユニオンジャック・ジャケットはオーダーで作ったもので、オプションの価格がプラスされています。

市販品との相違点は、「上襟」「フロントボタン」「袖ボタン」「ポケットのフラップ」をベルベットに変更していることです。

また、袖口を本切羽(本開き)の仕様にしています。

市販品の定価が48,000円に対して、本ジャケットは55,000円だったことから、今回のオプション価格は以下のようになります。

[ベルベット切り替え]
3,500円~

[本切羽]
3,500円~

これらのオプションは必須ではありませんが、既製品にはない1着が欲しい方はぜひともご検討下さい。

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