こんにちは。NALです。
今回は、東京の恵比寿にあるオーダーメイドサロン「S for you」をご紹介します。
東京都 渋谷区東3-25-3
ライオンズプラザ恵比寿315
過去の記事ではオーダーを依頼するまでの事前準備について解説しましたが、本記事では実際に仕上げて頂いたコートをご紹介します。
また、オーダーメイドで実際に掛かった金額も掲載していますので、今後の参考にして頂ければ幸いです。
S for youでオーダーメイドしたコートの仕様
今回オーダーしたコートがこちらです。
早速質問ですが、これが何というコートなのか正式名称が分かりますでしょうか?
恐らく、ほとんどの方は正式名称どころか、このコート自体を初めて目にするかもしれません。
このコートはインバネスコートといい、スコットランドのインヴァネス地方で生まれたことが名前の由来となっています。
私はイギリスが大好きで、普段からイギリス由来のファッションに身を包んでいる次第です。
日本ではシャーロック・ホームズが着ているコートというイメージが一般的だと思います。
ところで、インバネスコートの最大の特徴と言えば、腕の部分にあてがわれたケープではないでしょうか?
このケープは前身頃から背中部分を一周しており、マントに近い形状となっています。
後ろ姿がこちらです。
ぜひ着目して欲しい点がドレープ感です。
生地が綺麗に波打つように設計して欲しいとカウンセリングで伝えておいたので、敢えて薄手の生地を採用して頂きました。
このドレープ感が最高で、風がそよいだ時などにヒラヒラとケープが優雅に舞う瞬間は筆舌に尽くしがたいものがあります。
ケープに加えて特徴的なのが、袖の部分です。
こちらの写真はケープを捲り上げたところです。
写真を見れば一目瞭然のように、このコートには袖がないのです。
袖がない代わりに、袖部分はベスト状に大きく開いており、中に着込んだジャケットのポケットに手を伸ばすことも可能となっています。
実は、インバネスコートには複数の型があって、「袖あり」と「袖なし」のタイプが存在しています。
このコートは後者のタイプですが、前者(袖あり)のタイプだと、ケープは肘~手首までの長さが一般的です。
これは諸説ありますが、袖ありのタイプをインバネスコートと呼び、袖なしのタイプをインバネスケープと呼ぶ場合があるようです。
先述した通り、このコートの発祥はスコットランドのインヴァネス地方ですが、元々はバグパイプという楽器を雨から守るために使用されていたようです。
腕部分のケープの中にバグパイプをしまい込み、雨から楽器を守っていたというわけです。
これがいつしかフォーマル系のコートに昇格し、過去の風刺画などを見ると、燕尾服の上にこのコートを着ている様子が分かります。
現代の日本ではまず見かけなくなったインバネスコートですが、実は、日本で大流行した時期がありました。
それが大正時代~昭和初期にかけてです。
この時期の日本は和装が中心で、和服は袖が大きく設計されていることから、和服の上に着られるコートは皆無でした。
ところが、インバネスコートの中には袖なしのタイプが存在するため、これが袖の大きい和装と相性が抜群だったのです。
そのため、明治時代の文明開化で西洋の洋服が流入すると、一部の上流階級の人間を中心にインバネスコートが流行り始めます。
そして時代が進むと更に洋装化が進み、「和服+インバネスコート」という組み合わせが男性の間で大流行したのです。
洋装化の歴史は男性からで、第二次世界大戦が終わるまで、女性は和装が大半を占めていました。
大正時代にはモダンガール(モガ)という洋装化した女性が現れましたが、それは極一部にしか過ぎません。
こうした歴史的背景もあり、現在では専ら和服愛好家の方に好まれているというわけです。
ただ、私はスーツの上からインバネスコートをさらっと羽織り、古き良き当時のイギリスにいたジェントルマンを気取っております(笑)
気になるオーダーメイドの値段は?
私の事例ではありますが、今回のオーダーメイドで掛かった金額は25万円でした。
市販品で25万円ならラグジュアリーブラントの価格帯ですが、オーダーメイドならこの価格帯は平均レベルだと思います。
実は、このコートとは違うコートを別の会社に依頼しようと見積もりを取ったところ、30万円という価格を提示されたのです。
このことから、オーダーメイドでコートを作ろうと思ったら、30万円という金額が一つの目安になると思います。
ただ、私がオーダーしたインバネスコートは非常に珍しいコートなので、パターン(型紙)を起こすには高度な技術力が要求されます。
そのため、25万円という金額には技術料の部分が入っていると思っています。
恐らく、一般的なコートであれば、これよりも安くオーダーで作れるかもしれません。
無論、デザインは華美にしたり、高級な生地を使用すれば、その分価格は上がるので、その点は予算と相談する必要があります。
ただ、オーダーメイドはどこのお店でも高くなってしまうので、コートを作るのであれば安くても20万円くらいを想定しておいた方が良いかもしれません。
希望的観測で最初に安い金額を想定しておくと、実際に提示された価格とのギャップに驚くので、ある程度は金額を高めに設定しておく方が無難です。
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