ZAZOUSのチェスターフィールドコートは超本格派

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こんにちは。NALです。

今回は、REATS TAILOR ZAZOUS(リーツテイラーザズー)のチェスターフィールドコートをご紹介します。

チェスターフィールドコートと言えば、1着持っておいて絶対に損はない万能アイテムで、着回し力も抜群です。

ただ、そんな1着だからこそ、しっかりと作り込まれた1着を購入して頂きたいので、本記事がその一助になれば幸いです。

今回は、ZAZOUSのチェスターフィールドコートがいかに名作なのかを解説致します。

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ZAZOUSのチェスターフィールドコートは超本格派

私が所有しているZAZOUSのチェスターフィールドコートがこちらです。

世の中にはチェスターフィールドコートとして売り出されているコートは星の数ほどありますが、その中にはロングジャケットをそう呼んでいるに過ぎないものもあります。

実は、チェスターフィールドコートにはクラス分けがあり、格式の高い順から以下のように呼称されています。

(1)ドレス・チェスターフィールドコート

(2)セミ・チェスターフィールドコート

(3)サック・チェスターフィールドコート

世間で言うチェスターフィールドコートは(2)や(3)の場合が多く、(1)のドレス・チェスターフィールドコートで仕上げているブランドはそう多くはありません。

ただ、ZAZOUSのチェスターフィールドコートは(1)に該当するので、その特徴を以下に列挙します。

上襟はベルベット(ビロード)に切り替え

まず見て頂きたいのが上襟の部分です。

画像では黒く見えるかもしれませんが、実際には濃いブラウンをしており、この生地はベルベット(ビロード)です。

この「上襟がベルベットに切り替えられている」という特徴がドレス・チェスターフィールドコートの特徴の一つなのです。

ベルベット字体が高級な生地なので、上襟にこれが縫い付けられているだけで不思議で高貴な品格が漂います。

実は、もともとベルベットは貴族のみにしか着用が許されておらず、一般市民がベルベットの生地を使用することは出来ませんでした。

ちなみに、ベルベットを上襟に縫い付けるようになった理由は、フランス革命で処刑されたルイ16世とマリー・アントワネットを弔う気持ちを表したものだとされています。

つまり、ベルベットは貴族の証であると共に、当時は喪章を意味していたというわけです。

世間一般で市販されているチェスターフィールドコートの上襟は共布(本体と同じ生地)が使用されています。

恐らく、これはコストの問題で、ベルベットの使用を断念していると思われます。

ただ、ZAZOUSはそうした妥協を一切しておらず、高級生地のベルベットを惜しみなく使い、他のとは一線を画すチェスターフィールドコートに仕上げています。

前ボタンは比翼仕立て

前ボタンに着目すると、ボタンを通り穴が開いていないことが分かると思います。

しかし、実際には左のボタン部分が二十構造になっており、ボタンの穴が見えないように設計されているのです。

この仕様を「比翼仕立て」または「フライフロント」と言います。

前を閉めた時にボタンが見えないため、シンプルかつ上品な印象を相手に与えると同時に、ボタンの穴が隠れていることから風の侵入を防ぎ、保温性も確保できます。

この比翼仕立てもコストが掛かるため、市販品の多くが打ち抜きとなっており、通常のジャケットやスーツと同じ型になっています。

これはこれでチェスターフィールドコートであることに違いはないのですが、せっかくチェスターフィールドコートを購入するのであれば、本格的な1着が欲しいところです。

ウエストがシェイプされている

ハンガーに掛けた状態だと分かりづらいのですが、ZAZOUSのチェスターフィールドコートはウエスト部分が適度にシェイプされています。

今でこそ丈が長いチェスターフィールドコートは防寒用として重宝されていますが、もともとはオシャレ着用のコートとして誕生したという逸話があります。

防寒目的で生まれたコートではないために、最初に誕生したチェスターフィールドコートもウエスト部分をシェイプさせていました。

こうした経緯があり、本格的なチェスターフィールドコートではこの時の名残りからウエスト部分をシェイプさせているのです。

ただ、ZAZOUSのコートは身体にあてがうようにパターンが起こされているため、シェイプされていても身幅が狭いと感じることはありません。

むしろ、これだけシェイプされているのに、腕の上げ下げにストレスがかからないことに驚きです。

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生地はハリスツイードを採用

一般的にチェスターフィールドコートはフォーマル着なので、生地にはウールやカシミアが使用されます。

ただ、本コートにはハリスツイードが採用されているのです。

ハリスツイードはスコットランドの生地ですが、厳格な審査を通過した生地しかハリスツイードを名乗ることが出来ません。

具体的には以下の基準を全て満たすものだけでハリスツイードを名乗ることが出来ます。

(1)スコットランドのアウター・ヘブリディーズ諸島で採れた羊毛を使用していること

(2)ピュアなヴァージンウールを使用していること

(3)染色・整経・仕上げまでを一貫して島民が行うこと

(4)手織りの編み機で生地が織られること

以上の全てを満たすとハリスツイードを名乗ることが許可され、その証としてオーブ(王冠)のマークが付されるのです。

ハリスツイードの風合いは唯一無二で、ザラザラとした手触りですが、どことなく優しそうな雰囲気を纏っています。

また本コートのハリスツイードはライトブランの生地を使用しているため、英国らしい理知的なイメージも付加させています。

2024年5月現在、ZAZOUSのパターンオーダーではハリスツイードの生地も用意されていますが、このライトブランは在庫がありません。

これよりも濃い色のブラウン(こげ茶)は在庫があるため、気になる方はそちらでオーダーしてみるのもいいでしょう。

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英国スタイルのチェンジポケットを装備

右のポケットの上に小さいポケットがありますが、これはチェンジポケットといいます。

ここで言う「チェンジ」とは「小銭」という意味で、もともとは小銭を入れておく用のポケットでした。

これは英国式のスーツによく見られるデザインで、市販のスーツでも最初からチェンジポケットが装備されているものもあります。

ただ、現代では装飾的な意味合いが強く、実際に小銭を入れておく人は皆無でしょう。

また、ポケットにモノを入れておくと型崩れの原因になるため、お勧めは出来ません。

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裏地には鮮やかなクラブ・ストライプ

ZAZOUSは裏地にも凝っており、本コートでは英国を彷彿とさせるクラブ・ストライプが配されています。

クラブ・ストライプとは、学生のスポーツクラブを象徴する柄で、英国が起源とされています。

さらに、この配色はZAZOUSのオリジナルなので、他のブランドでは真似できない特別仕様となっています。

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